所詮、これが正解か不正解かなんて誰も知らない。
故、想うがままに生きようと思った。
きっと明日には神様も呆れて

起きたら耳としっぽが生えてたりするだろうね、そうだといいね。















  キ ミ の  ッ ト














此処に来て3日が経った。


冬は5時にもなると外は真っ暗、だけど電気を付けるのすらめんどくさくて
しんとした部屋に、時々自分が寝返りを打つ、毛布の擦れた音がした。



ちっちゃい、あたし愛用のビーズクッション。
大きく息を吸ってみると、煙草の匂いに混じって和也の香水の匂い。
早く、帰ってこないかな。これで呟いたの何回目?

大きな溜息と共に、白い息が空気と一体化し、瞬きをしてるうちに消える。




目を瞑ってゆっくり数える24秒。
時計の針の音とともに、外からはマンションの階段を上がる、
大きな足音が聞こえた。









「・・・おわっ」

「おかえり和也くんっっ」






飛びつこうとして玄関の段に躓き、あたしと和也は遭えなく転倒。
だけどちゃっかり捕まえた和也のコートを握りしめ、体制を整えた。

・・・後は、和也が手をあたしの後ろに回せば、完璧な恋人なのになあ。


黒のコートには、クッションと同じ匂いが染み付いてる。
幸せに浸りながらくんくん匂い嗅いでると、溜息付いた和也は、ぐっとアタシの肩をおしやった。








「重い!」

「重くない!」

「俺は疲れてんのー」





あたしがどさっとその場に倒れ込んだのもおかまいなし。
和也は自分の靴を玄関に放り投げ、真っ暗な居間に入って。
呼ぶ声だって、聞こえない振り。

和也の手によって電気のスイッチがつくと、その眩しさに堪えきれない瞳は、ふわふわと濁った。





「・・・電気くらいつけろよ」

「だってめんどくさい」

「俺を玄関まで迎えに来る方がめんどくさいだろ!」

「それは全然めんどくない。和也くん大好きだもん」

「・・・あっそ」




素っ気ない返事も慣れたもの。数秒目が合ったから可愛く鳴いてみたけど
呆れた様に据わる目をして、視線はすぐに外された。

リモコンをとってスイッチを付けると、延々と流れる外国の風景。


3日前此処に来たときも、確かこの番組がついてたっけ。




和也はそれを、只ぼーっと眺め、あたしはクッションと戯れながらテレビの音を耳に流していると
それを遮り和也の声が混ざった。独り言のようで、あたしに話しかけてる様で。







「俺、どうしよう。働きすぎて過労死すっかも」

「えーやだ。そんなの」

「誰か癒してくんねーかなー・・・。こーゆうとき彼女とか居るといーんだよね」

「あたしが癒してあげる」

「・・・・お前は、ペットでしょ」

「甘いね、和也」



クッションを投げつけると、ものともせず和也はそれをキャッチした。
流石、だてに野球やってない。

ひとりぶんだけ空いたソファに座り、アタシは和也の肩を抱いた。
離れようとする力抑えて、ぎゅっと身体を近づける。













「ペットって、もの凄くいい位置だね」

「・・・は?」

「彼女は、裏切ることがあるでしょ。ペットは裏切らない」
















そう、あたしは和也のペットだ。




和也が、あたしをペットにした。
あたしはペットになることを受け入れた。

理由のひとつは、いつしか、和也との距離が近づくのが目に見えたからだった。






「ペットは捨てれないでしょ」

「・・・」

「もっと近くを見てよ。和也のコト一番に想ってるネコが居るじゃん」





黙り込んだ和也が、一瞬、口元を上げたのを見落としていない。

















もうひとつの理由。

それは、和也があたしと同じ考えをもっていると、確信したかったから。
素直になれない結果なんだと、自惚れたいからだ。















「じゃ、癒して」

「何でもしますよ、ご主人様」


暗い夜空に、星が瞬いた。







どんなカタチであれ、大好きなヒトリを大切にしたい。変わりない。
その横であたしも、幸せでありたい。

もしも神様が、人間であることを放棄したアタシに罰を下して

明日の朝、本物のネコになったとしても


それでも、守りたいモノは一緒。傍に居たい人はこのヒト。




可笑しい?そっちのが偏見でしょ。
愛の表現の仕方は、ひとつじゃない。

だからあたしは今日も明日も










キミット。











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さて。アフォなお話も大概にします(笑)こ、これ最後だから!!笑
えむっこな管理人は、ヒトを飼うより飼われる方がいい。
勿論、某漫画の影響ですよ!まつじゅんのドラマは見てないけどね・・・。
これ仁の話にするともの凄くコメディ的な話になっちゃうの。
和也くんは・・・なんか、合う。飼われたい(オイ)
S的和也キュン大好きですからー!あ、続きはBBSでお話しましょう(笑)


「素直になれない結果なんだと、自惚れたいからだ。」
文中に出てきたコレ。どういう意味かわかります?


05.12.11
























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