俺ってさ、単純だから。
深夜2時。仕事の休憩中に携帯見ると、一通のメール。
“むかえにいく”って、それだけなんだけど、
異常にテンション上がっちゃったりすんの。そーいうの、










君は分かってる?




















You know?



















「あー・・・なんか、赤西のテンションがうぜぇ」
「ね!もう終わり?今日終わり?」


聖の言葉を無視して、マネージャーに問いただす。


「今日は終わり。お疲れ!明日は10時集合だから」





携帯をバックに乱暴にしまって、稽古場のドアノブに手を掛けた。






「じゃ!KAT−TUNメンバーよ、また明日な!」
「何キャラよ、それ」


完全に疲れきってるカメの言葉も、勿論聞こえない振り。
なんせ俺、今超急いでっから。
大事な彼女が風邪でも引いたら大変でしょ。




















「仁!寒いー」


外では、防寒バッチリなが、寒そうに肩を震わせた。
顔は外の空気に当たってて、鼻先がちょっと赤い。トナカイみたい。トナカイ見たことないけど。

軽くコートを着直して、見つめる先は夜空。グレーがかった色に月が見え隠れする。

「むかえに来なくてもよかったのに」



なんて俺、素直じゃない・・・
内心すげー喜んでる癖に。


「んー。だって仁、今日マフラー忘れてったでしょ」
「あ。忘れた」


はちょっと背伸びをして、俺の首元に茶色いマフラーをぐるぐる巻きにした。
部屋ん中は暖かかったけど、外はもう真冬。

ブーツの先をコツコツ響かせながら、しんとした空気の中。暗い夜道には誰もいなかった。








「仁」
「ん?」
「疲れた?」
「んーあんまり。今日は打ち合わせだけだったから」
「そう」
「何で」
「何でもない」
「何で」
「何でも」
「何・・・」
「まだ言うの?笑」






街灯の明かりが、の笑った顔を映した。
心なしか、身体がちょっとだけあったかくなった気がした。
はーって手にかける息が、全部白く変わって光に吸い込まれてく。











「あ、ごめん、仁の手袋忘れた」
「ん、いーよ」
「ハイ」



差し出されたのは、がはめてた右手の手袋。
去年俺が買ったげたヤツ。





「俺だいじょーぶ・・・」
「ダメ!右手は、こっちがいーから」


冷たかった左手に、あったかい体温。
ちっちゃい手。けど麻痺しかけてたのが、段々と治ってく。
マフラーの向こうからニッって笑うから、俺も返した。










朝来た道だけど、全然違う風に見える。
なんてことない。けど、毎日幸せだったり。















「ねぇじん。もうすぐクリスマス」
「今年雪降っかなー」
「プレゼント、何が欲しい?」
「・・・いや、なんもいらない」

「・・・」
「・・・」

「“お前がいれば〜”とかって、言わないの?」
「言わねーよ!笑」
「なんだ、期待してたのに」
「俺にそーいうことを、期待しないのー。カメじゃあるまいし」
「(カメちゃんは言ってくれるんだ)」
「あ!今、カメに乗り換えよーって思った?!」
「思ってないよ」
「嘘だ。思ったなコノ浮気者!」










手袋の上から、の赤くて寒そうに色付いたほっぺを抓った。
痛いって離れようとしたけど、左手は離さないまま。


昔から寒いのも暑いのも大嫌いだったけど、
俺、今、嫌いなモノなんてないかもしんない。




そんだけお前に影響されてんの、知ってる?










「俺は、言葉じゃなくて行動派ですから」
「意味わかんない」
「教えて欲しい?」

「ほしくない」
「んだよ。素直じゃねーなー」





他愛ない話だって言い合いだって全部大事。俺にとって。
瞬きする度に揺れるその睫毛も、軽く緩んだ口元も、一瞬だって見逃さない。
どんだけお前のことスキか、知ってる?
・・・まぁ、知ってなきゃ、今となりにはいないか。













「教えてやるよ。家帰ったらね」
「えー・・・」








ほらね、俺、単純だから。
もっと遠かった筈なのに。もう目の前に、俺等の部屋の明かりがみえる。

マンションの狭い階段を、2人押しあいながら登った。





「今更仁に、そんなこと望んでないさ」
「ふーん」
「素っ気ない返事も慣れっこさ」













知ってるよ、俺は。
滅多に言わないけど。たまには必要でしょ?


















「すげぇ好きだよ、お前のこと」



繋ぐ手に力込めて。
やっと見つけた。だからもう離さない。


何よりもが大切だってこと、自分でもよーく分かってっから。



















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お久です☆ミ
復活(というかサイト名変更後)一発目!暗くしないように頑張りました。ンフフ。
会話イパーイ!会話だけでも、雰囲気伝わったらイイナ。
冬は書きやすいね。ちょっと、書き方を自分なりに変えてみようと思いました。
そう、また影響されちゃったんです。フォー!(誰)
BBSに、なんでもいーから語っちゃってね。
仁たんが作詞したCare、前はI knowだったじゃん?
あたしあっちのが良かったー。(我が儘)なんか、抽象的でいいじゃん。Careも好きですけどね(結局)

05.11.27


























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